「リール愛好会活動報告白書」その172
リールも好きだが竿も好き「グラスの底に顔があっても良いのなら、
グリップに引き金が付いていても良いんじゃない」  大木孝威
「リール愛好会活動報告白書」その172
リールも好きだが竿も好き
「グラスの底に顔があっても良いのなら、グリップに引き金が付いていても良いんじゃない」

報告者:
大木 孝威

 グリップとリールシートの間に、ピストルの引き金のようなものがくっついてるロッドがあります。
 pozo。イタリア製のこのロッドは、一見かっこいいのですが、良く見るとあちこちに隙間などありまして、細かいことを気にするフライ野郎は、お呼びでない雰囲気を醸し出してます。
 グリップ周りのウッドのチェックやリールシート、メタル関係など、良く見れば問題あるが遠目にはオシャレ。所詮他人のタックルなど、遠目にしか見ませんから、人の目だけ気になるフライ野郎なら全く問題ありませんね。
 完璧な仕上げに絶対の自信のある国産ロッドとこのpozoのロッドを交互に見比べると、日本人が蕎麦に繊細な粋と上品な味を求めたのに対し、イタリアの民はカルボナーラの濃厚で大胆なオシャレ味覚を追求していった対比関係と酷似しているではないですか。と言ってみたものの、本格的なイタリア料理って食べたことありません。それどころか、本格的蕎麦も…まあそれはこっち置いといて、多分この竿、日本製だったら流通さえしていないと思われますが、何の因果かイタリア製のこのロッドが私の元に。
 pozoのロッドは幾つかのモデルがあり、何とバンブーやグラスもあった気がしますが持ってません。グラファイトのロッドでも、モデルによって味付けが違っていまして、これが外見に似合うのか似合わないのか意見の分かれるところですが、非常に良い感じです。
 7フィート前後の短めで軽い番手用ロッドなど、小さなヤマメを釣るのにイメージが沸き上がり、部屋でグリップ握っただけで、ブルブルというあの感触が蘇ります。写真のロッドは8.6フィートの5番ですが、ニジマス釣りに使ってみましたが良い感じでした。
 しかし、このロッドの最大の特徴は、このガングリップハンドル。フライロッドにこんな物が付いていて良いのでしょうか。もしサミットか何かで、もの凄い警戒の中、このロッドを持っていてお巡りさんに職質にあったら、かなりの時間帰ってこられない気がします。その後、確実にブラックリストでしょう。
 初めて見たときは、引き金に人差し指をかけて「フライ撃ちまくりか?」と思いましたが、実際ハンドルを握ると人差し指など掛ける余裕などなく、小指の抑えとして機能するものでした。
 これがなかなか握りが安定していて握りやすいではないですか。このハンドルグリップ、こけおどしのオーバーデコレーションだと思っていましたが、意外に実用的でした。
 しかし冷静に考えると、握りを安定させるためなら、ここまで引き金に似せて作る必要はないでしょう。もう少し控えめの出っ張りさえあれば用が足ります。
 しかしそこをあえてガングリップハンドルしたところが凄い。ガングリップハンドルにしたからこそ、普通に良いロッドから魅力あるロッドに昇華したのではないでしょうか。
 pozoのロッドのもう一つの売りは、豪華なロッドケースです。この皮のケースに入っているなら、中身のロッドも、そりゃあ凄い物の印象を受けるのではないでしょうか。ところが私、このケースにちょっと感じるところがありまして、目立たないところをちょん切って燃やしてみたところ、すぐに炎が広がって、匂いは明らかにあれでした。ちゃんちゃん。